ブログ

音楽療法&声・ライアー(竪琴 音楽療法&声・ライアー(竪琴

2024年3月19日(火)の午後、隣町の三木町から、

障害福祉サービス事業所いっぽの利用者さんたちが、

さぬき市長尾のもみの木音楽舎に来室され、

第69回いっぽグループ音楽療法セッションを行いました。

今回は、男性利用者さんの日です。

二つに分かれて来室されます。

一つ目は、TさんとYさんのグループセッション、

二つ目は、Hさんの個人セッションです。

 

そしてなんと、今回はこのグループ音楽療法セッションに、

初めて見学の方がいらっしゃいました!

香川県の西部に位置する三豊市の社会福祉協議会より、

事務局長さんと、御関係者様のお二方です。

小さな音楽室の奥に並んで座っていただき、

一つ目のグループセッションを見学されました。

 

TさんとYさんは、見学者のことを事前に聞いていらっしゃいましたが、

やはりかなり緊張している様子でした。

でも、ちゃんと挨拶をしながら入室されて、

活動にもいつもどおりに取り組まれたのがすばらしかったです。

Tさんは、見学者の方に自分から話しかけ、場を和ませてもくださいました。

 

ピアノに合わせてストレッチをしたり、腕を振ったりして

身体の緊張を緩めたあと、

歌に合わせて、布を振り動かす活動に取り組みました。

今回は見学の方がいて、恥ずかしさがあったのでしょう。

お二人とも顔が上がらず、うつむき加減だったため、

布を振る腕の動きが、いつもより小さかったのが、

なんともかわいらしく感じました。

また今度、思い切りやってみましょうね。

 

手指の体操や手遊び、早口言葉に取り組んだ後、

いつものように好きな楽器を選んでいただくと、

Yさんはプサルター、Tさんはバッファロードラムを選ばれました。

一音ずつ、交互に鳴らし合う活動に取り組みました。

余韻の最後まで、相手の音を聴き取ってから自分の音を鳴らす、

ということに取り組んでいます。

今回は、いつも同じように音を鳴らすのではなく、

強弱と長短を変えて鳴らしてみることに挑戦していただきました。

プサルターをそっと弱く鳴らすことはなかなか難しいものですが、

Yさんはとても慎重に弓を動かし、繊細に鳴らすことができました。

Yさんはプサルターを繊細に鳴らそうとするほど、

弓の動きがゆっくりになり、音も長く続きましたが、

Tさんは辛抱強くその長い音をよく最後まで受け止めてから

自分の音を鳴らすことができました。

私がトライアングルで参加し、3人で行うと、

アンバランスなリズムが生まれ、面白い演奏になりました。

 

2つ目のセッションは、

今回は穏やかな状態で来室することができたHさんの個別セッションです。

手拍子をすることがフラッシュバックを招くのかもしれないと考え、

導入の場面では手拍子ではなく、手でビーターを持ち、

トライアングルを鳴らしていただいています。

今回はおだやかな表情で、「こんにちは」の歌いかけに応じて

静かに鳴らしてくださいました。

 

ツリーチャイムも、ピアノを弾きながら歌いかけ、

フレーズの切れ目で合図を送り、鳴らしていただきました。

「一緒に鳴らそうよ」という曲を最初から最後まで通して演奏しましたが、

最後のあたりで小さめの独り言が始まったものの、

最後まで合図を受け入れて鳴らすことができました。

アイコンタクトを取り続けながら歌いかけることで、

集中力を途切れさせずに、最後まで聴き合う関係を保つことができるのではないかと、

今回も感じました。

 

Tさん、Yさんも、そしてHさんも、

表現できることが着実に増えてきました。

また次回も楽しみにお待ちしています!

 

もみの木音楽舎の音楽療法セッションでは、

表現を支える「聴く力」を大切にした取組みをいたします。

「聴き合う」ことで、互いの存在を認め合い、

双方向のコミュニケーションが生まれます。

一方通行の表現ではなく、

誰かとつながるコミュニケーションこそが、豊かな表現だと考えております。