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音楽療法&声・ライアー(竪琴 音楽療法&声・ライアー(竪琴

2023年12月5日(火)の午後、

三木町の障がい福祉サービス事業所いっぽの皆さんが、

もみの木音楽舎に来室され、第55回グループ音楽療法セッションを行いました。

今回は男性利用者さんたちの日です。

2つに分かれていらっしゃいます。

 

1つめのセッションは、TさんとYさんのセッションです。

最初はピアノに合わせて軽くストレッチから始めます。

意外と難しいのが、肩回しです。

身体の中でも、見えにくい部位を動かすのは難しい場合があります。

それはボディイメージが十分にもてていないためだと思われます。

少しずつ、どうやって動かすのかを見てもらったり、

腕や肩に触れて、動きを補助したりしながら練習しています。

 

リボンを取り出すと、うれしそうなTさん。

今回は2人一緒に、3拍子の少し不思議な雰囲気の曲に合わせて

自由にリボンを振り動かしていただきました。

リボンを動かすことに夢中になって楽しそうでしたが、

視線がうつむきがちだったので、

次回はもっと明るいダイナミックな曲を使って、

リボンを高く振り上げる動きを引き出せればと思いました。

 

今回、とてもよかったのは、

最後の好きな楽器で即興演奏をした場面です。

プサルターを選んだYさん、

バッファロードラムを選んだTさん、

そしてピアノを弾く私。

Yさんはプサルターをセッティングすると、すぐに音を選んで弾き始めました。

Tさんはどうするかな、と様子を見ていたら、

これまではドンドンと大きくドラムを打ち鳴らすことが多かったのですが、

Yさんの音を聴いて、控えめな音でドラムをトン、トンと打ち始めました。

構え方を少し直してあげてから、

私はピアノに向かい、3人で即興演奏を行いました。

 

相手の音を聴いて、それに応えるように音を鳴らすこと。

コミュニケーションに課題のある方にとって、それはとても難しいことですが、

決してできないことではないのです。

これは、自分のことも相手のことも、大切な存在として認め、

尊重することにも通じます。

TさんもYさんも、かけがえのない仲間になりつつあるように感じました。

そして、セラピストの私も、

この瞬間は、その輪の中に入れてもらえているなと感じられました。うれしいです。

 

2つめのセッションは、Hさんの個人セッションです。

今回のHさんは、小声で独り言をつぶやきながらも、

こちらの働きかけには応じようとしてくれる、比較的落ち着いた様子でした。

歌いかけに応じて、トライアングルを自分で持ちながら、

丁寧な鳴らし方で鳴らすこともできました。

 

プサルターも一緒に弾きましたが、

少し弾くと、もういい、と自分で終わりにされました。

終わりにすることを、一緒に弾いていた私に、弓を押し戻すことで伝えてくれました。

 

ツリーチャイムに触れたので、

席のところにセットして座っていただきました。

ピアノで「お花のうた」という曲を弾きながら歌い始めると、

合図などまったくしなくても、

曲に合わせてきれいに鳴らしてくださいました。

ピアノや歌をとてもよく聴いて、合わせて鳴らしているのがわかりました。

音楽の始まりと終わりもよく理解されているのがわかります。

 

今回は、断続的に独り言が続いていましたが、

集中して音楽の活動に取り組んでいる時、

独り言は止まりはしないまでも、小さくなりました。

彼の生活に大きく影響を与えている独り言の制御に

音楽活動に取り組むことが効果があるかもしれないと、

今回も感じました。

 

2週間に一度のセッションですが、

Hさん自身がとても楽しみにしてくださっていると、支援員さんからうかがいました。

調子に波はありますが、

いろいろなことを試しながら、様々な可能性を探していきたいと思っています。