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音楽療法&声・ライアー(竪琴 音楽療法&声・ライアー(竪琴

2023年9月12日(火)の午後、

隣町の三木町から、障害福祉サービス事業所いっぽの利用者さんたちが

もみの木音楽舎に来室され、

第43回いっぽグループ音楽療法セッションを行いました。

TさんとYさんのお二人のセッションと、

Hさんのセッションの、2セッションを行いました。

 

TさんとYさんは今回も歌や簡単な合奏、ライアーのレッスンに

楽しく意欲的に取り組まれましたが、

ここでは、今回いくつもの「初めて」の姿を見せてくださった、

Hさんのセッションについて特に報告させていただきます。

 

Hさんは、繊細に楽器を扱われる方です。

しかし、何らかの原因により、

来室時に大きな声で独り言を発する興奮した状態であることが多く、

本来のHさんらしい表現が、こちらでのセッション中に見られることが、

これまでわずかしかありませんでした。

ところが今回はとても落ち着いた状態でセッションに臨まれたこともあり、

初めて、歌や音で「つながる」ことができた、と感じる場面がいくつもありました。

 

「こんにちは」の歌の時、向かい合って座った梶谷が、

拍子に合わせてわざと左右に揺れながら歌うと、

Hさんも一緒に左右に身体を揺らして聴いてくださいました。

じっと梶谷の顔を見つめながら、聴いていて、

梶谷とハイタッチするところでは、自分で両手を合わせてくださいました。

「こんにちは」と挨拶をした時、「こんにちは」と返してくださったのも初めてでした。

 

「頭、肩、ひざ、ポン」をやってみると、

よく聴き、模倣しながら一緒に手を動かしてくださいました。

 

トライアングルを支援員さんに持っていただき、

Hさんに鳴らしていただきました。

梶谷が歌いかけ、合図を送るタイミングで鳴らすことが、

少しずつ理解できたようで、

集中して取り組んでおられました。

途中で独り言が始まりかけましたが、

また集中が戻り、曲の最後までやりきることができました。

 

ウッドブロックを梶谷が持ち、

Hさんに打棒を渡すと、左右を交互に打つことができました。

「とけいのうた」を梶谷が歌うと、

拍子に合わせて左右を交互に打ってくださいました。

途中、独り言が始まり、手が止まりそうになったところもありましたが、

また復活して、最後まで続けられました。

 

グロッケンシュピールを前に置き、マレットを渡すと、

「ドレミファ…」と左から順に鳴らそうとしていました。

梶谷が同じように順に鳴らすと、模倣をしたい様子でした。

「きらきら星」を鳴らしてみると、

それも模倣したい様子でしたが一人ではできないようなので、

梶谷が、マレットで次の音を指し示すと、

それを見て、鍵盤を打ち、

「ドドソソララソ ファファミミレレド」と弾くことができました。

この曲は、Hさんの好きな曲なのだなと感じました。

 

最後は、フィンガーシンバルを片方持っていただき、

一緒に歌に合わせて鳴らしてみました。

とてもきれいな音が響きました。

ゆっくりした歌に合わせて、そっと一緒に鳴らすことが

とても上手にできました。

 

セッションの最後まで、今回はとてもリラックスして活動されていたと思います。

リラックスした状態を保つことができれば

こんなにHさんと、音や歌でつながることができるのだ、とわかり、

とても嬉しいです。

来室時の興奮の程度によって、なかなか難しい日もあるかと思いますが、

セッションの中でも、情動の調整を試みながら、

今後もHさんの好きな歌や音で、楽しくコミュニケーションを深めていきます。

また次回も楽しみにお待ちしていますね。