私の息子は、最重度の知的障がいと自閉症の障がいをもっています。
(現在「自閉症」は、「自閉スペクトラム症」と言われるようになっていますが、息子の診断名は「自閉症」です。)
7歳ですべての言葉を失い、一言も話すことができません。
現在29歳の息子は、これらの障がいの上に、
クライネ・レビン症候群という睡眠障害を発症しております。
これが悩ましい病なんです。
百万人に一人と言われる奇病で、
治療法は見つかっておらず、
それゆえに難病指定にもなっておりません。
本人はもちろんのこと、家族も巻き込んで、
生活そのものが変わってしまうような病ですのに。
私は、息子がこの病を発症し、同時期に母もパーキンソン病を発症し、
それがきっかけになって、転職・移住・起業、という人生の大転換をいたしました。
クライネ・レビン症候群、これは眠り続ける病なんです。
過眠期に入ると、ただただ、眠り続けます。
断続的に眠る日や、1日に16~18時間連続で眠る日もあります。
息子の場合、過眠期は2週間は続きます。
それが2~3週間おきに巡ってくるのです。
過眠期は、眠るだけでなく、
鬱状態になって、思考力・判断力も落ち、
普通の時にできることもできなくなります。
ただでさえ、もともと知的障がいがあるのに、です。
過眠期でない普通の時期は、
通所施設でも家でも、とても快活で、人懐こく、
身体を動かすことも好き、できる手伝いは身軽に引受け、
パズルやピアノも楽しむことができます。
でも、過眠期になると、すべてできなくなります。
わずかに目覚めている時も、横になって、
オルゴールを聴いたり、水時計をひたすら眺めたりしているのみになります。
話しかけても、ほぼ反応がなくなります。
まるで別人のようになってしまうのです。
これはクライネ・レビン症候群の特徴でもあるそうです。
重い障がいをもつ息子ですが、
それでも彼が、できる限り生き生きと彼の人生を過ごしていけるように
できることはなんでもしてやりたいと思っています。
しかし、息子の人生の多くの時間を奪ってしまうこの病に、
本当に悩んでいます。
時間こそ、誰にとっても最大の財産だと私は思うのです。
それを奪うこの病は、
障がいがあるということ以上に、
息子の人生にも、家族の人生にも重い影響を与えています。
でも、この子を支えながら、
この子の人生も、
私自身の人生も、そして母の人生も、あきらめたくない。
悩みながら、もがきながら、
今日も、限りあるこの命を大切に、できるだけ笑顔で過ごしていこうと思います。
障がいや病で同じように悩んでいる方、御家族の方、
共に頑張っていきましょう!