2023年3月1日(水)、坂出市で昨春開所したばかりの、身体障がいのある方たちが通う生活介護施設、
“デイサービスここから”さんにて、グループ音楽療法セッションを行いました。
今回のグループ音楽療法セッションは、7名の利用者さんと、支援員さん全員が参加され、
職員研修も兼ねて、という御依頼のもと、実施いたしました。
利用者さんは、医療的ケアを受けている方がほとんどで、常時介助が必要な重度の障がいをもつ方ばかりです。
車椅子に座り、勢ぞろいした皆さんを前にして、
私はとても懐かしい感覚を感じていました。
私は東京で肢体不自由の子どもたちが通う特別支援学校に教員として勤めていた頃、
最重度の障がいをもつ子どもたちをよく担当しておりました。
病院に入院している生徒のベッドサイドで音楽の授業をしたこともありました。
その後は知的障害の子どもたちや大人の方に関わる機会のほうが多くて
ここ数年はこんなに多くの車椅子ユーザーの方の前に立つことはありませんでした。
今回私は、この方たちとの出会いを心から嬉しく感じました。
なぜなら、私が音楽療法士としてぜひ力になりたいと思いながら、
なかなか出会うことができない方たちだからです。
今回のセッションは、“ここから”代表のMさんと15年来のお付き合いという素晴らしい訪問看護師のKさんが、
もみの木音楽舎の梶谷を、“ここから”さんに紹介してくださり、実現しました。
訪問看護師のKさんとは、私の母の訪問看護に関わってくださっていて、出会いました。
Kさんはとても細やかな配慮をされる一方で、ものすごくパワフルで、
今回のセッションの日程の調整もしてくださった上、
車を運転しない私を、今回はさぬき市から坂出市まで、たくさんの楽器と一緒に車に乗せて運んでくださいました。
Kさんが車に乗せていってくださったので、私はかなりの数の楽器を持ち込むことができました。
Kさん、本当にありがとうございました!
身体の不自由な方の場合、わずかな動きで鳴らせる楽器や、
身体の一部で触れることで音を味わうことができる楽器、
そして、どうしても外出の機会が限られてしまう医療的ケアのある方の場合は特に、
できる限り様々な音や音楽の体験を提供できるように、いろんな種類の楽器を、などと考えて
とにかくいろんな楽器を持参しました。
「能動的に聴く」ということを私は何より大事にしたいと考えています。
いつも支援を受ける、受動的な生活を余儀なくされる、最重度の身体障がいをもつ方たちが、
音楽活動には、能動的に参加できるのです。「能動的に聴く」ということを通して。
そして自分で選ぶ楽しみも、とても大事にしたいことです。
いくつかの楽器の音を聴き比べて、下の写真の彼女は、自分の好きな音の楽器を選ぶことができました。
新しい音、美しい音との出会いも、音楽療法士がプレゼントできるものです。
ライアー(竪琴)の中でも、1枚板を削って作られたオープンライアーは、
自分で鳴らすことが難しい方でも、ボディや弦に触れているだけで、響きをたっぷり味わうことができます。
セッションの最後には、熱烈なリクエストに応えて、
歌も1つ歌わせていただきました。
今回は支援員さんの研修も兼ねてとのことで、時々解説を交えながらの音楽療法セッションでしたが、
利用者の皆さんもとてもよく集中して、最後まで皆さんが参加してくださいました。
お疲れ様でした。
またお会いできる日を楽しみにしています♪
*********************************************
さぬき市のもみの木音楽舎は、バリアフリーです。
車椅子ユーザーの方も、どうぞいらしてください。
お待ちしております。