2023年7月4日(火)午後、隣町の三木町から、
障害福祉サービス事業所いっぽの皆さんが来室され、
第34回のグループ音楽療法セッションを行いました。
今回は、男性グループのTさん、Yさん、Koさん、Hさんの4名と、
支援員さんお二人です。
「楽しみにしてきたんだよ~」と笑顔で来てくれたのは、TさんとYさん。
自分からは挨拶はないけれど、すすすっと音楽室に入られ、
自分の席の横に、いつも持ち歩く宝物の入ったビニール袋を置くHさん。
車椅子から音楽室内の椅子まで運んでもらって落ち着くと、
それまでの会話にすぐに入ってきてくれるKoさん。
もうおなじみのチームになりましたね。
「こんにちは」の歌を歌うと、
それまで静かだったHさんが、
スイッチが入ったように大きい声で独り言を話し始めました。
手拍子しながら歌ったのが、
もしかしたら彼の独り言スイッチを入れてしまうきっかけになったのかな?
と反省しました。
Hさんについては、一番関わりの長いという支援員さんも
独り言スイッチのきっかけはわからないとおっしゃっています。
でも、きっと何かあるんだよね。
気にして関わっていこうと思います。
この日もムシムシと暑い日でした。
でもまだまだ梅雨は明けそうになく、どうせ暑いなら、
やっぱり夏がいいよねえ、という話になりました。
そこで、一足先に夏の気分を味わってもらおうと、
オーシャンドラム(「海のたいこ」)を聴いてもらいました。
ドラムといっても、オーシャンドラムは打つのではなく、
そっと揺すって音を楽しむ楽器です。
私が使うのは、中で銀色の粒が動くのが見えるタイプ。
ざざーっという音とともに、その銀色の粒が動くのがなんとも楽しいのです。
Hさんはそれまで大きい声で独り言を言っていたのに、
この音を「?」という表情でじっと聴いていたと思ったら、
なんとその後すぐに眠ってしまったのでした。
オーシャンドラムの音が彼の神経のどこかに作用したのでしょうか。
Hさん、蒸し暑い日が続いて、疲れもあるのでしょうね。
でも、オーシャンドラムの音の、彼に対する作用も、
今後気をつけていきます。
さて、今回はオーシャンドラムと合わせる楽器として、
琴音というお琴をリメイクした楽器や、
雷の音を鳴らすことができるスプリングドラムという楽器などを
紹介してみました。
静かな雨とさざ波の音が、
雷の音が聴こえ始めると、大嵐のような音に変わっていきました。
Tさんも、Yさんも、Koさんも、
無心に自分の手にある楽器に集中し、
手を動かして、さまざまに試して、いろんな音を鳴らしてみていました。
「おもしろーい!」「たのしい~!」という声も。
「オーシャンドラム」の名前から連想したのでしょう、
Tさんが、「オー・シャンゼリゼ」を歌いたい、とおっしゃるので、
みんなで最後に歌いました。
私もこの歌は大好きな歌の一つです。
午前中、がんばって段ボールとお箸の回収作業に行ってきたんだよ、と
少し疲れていた様子もあった皆さんでしたが、
セッションが終わるころには、すっかりリフレッシュできたかな。
「次はいつ?」と訊いてくれるのがうれしかったです。
またお待ちしていますね。
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もみの木音楽舎には、いろんな楽器があります。
オーシャンドラムもスプリングドラムも琴音もその一つ。
どの楽器も、あの子が好きかも、
あの人がこれなら手を伸ばしてくれるかも、などと思って、買い集めたもの。
誰かとの出会いの数だけ、楽器がある、とも言えます(笑)。
(ちっとも儲からないよ~。音楽療法は。)
でも、この中に、あなたのお子さんとつながることができる楽器があるかもしれません。
試しにきてみませんか?