2023年3月7日(火)午後、隣町の三木町から、障がい福祉サービス事業所いっぽの利用者の皆さんが、
もみの木音楽舎にいらっしゃり、集団音楽療法セッションを行いました。
本日の参加者は、3名の利用者さんです。2名の支援員さんと共に来室されました。
今日は、ボルドンライアーとカリンバ、そしてシロホンブロックやスリットドラムなどの中から、
自分で楽器を選んでいただきました。
「今日のお天気のような、ポカポカした気持ちのいい音楽を奏でてみましょう。」と話して、
みんなで即興の演奏を始めました。
最初はどの方も、自分の楽器を鳴らすことにのみ意識が向かっているような弾き方でしたが、
「ずっと鳴らし続けずに、時々手を止めて、他の人の音を聴いてみましょう。」と伝えると、
Yさんはすぐにそのように取り組んでくださいました。
KさんとIさんは特に手を止めるということはありませんでしたが、
よく自分の音を聴きながら、弾かれていました。
(Yさんは時々手を止めて、みんなの音にじっと耳を澄ませていました。)
すると、それぞれまったく違う響きをもつ楽器なのに、
ほんわかと穏やかな音色が溶け合い、和やかな響きになっていきました。
まるでみんなで仲良く語らっているように。
今日いらっしゃったYさん、Iさん、Kさんは、お話がよくできる方たちです。
音楽には言葉はいらないとも言われますが、
共に音楽をする場合、言葉で思いを伝え合えるということはよいことです。
そして、日常生活においては、言葉で伝えられるということは非常に便利です。
そこで今回は、あえて皆さんが感じたことや思いを言葉にして話していただくことを試みました。
「演奏してみて、いがかでしたか?」と訊ねてみました。
すると、Kさん・Iさんは「とても素敵な音色です。」、Yさんは「幻想的な音がしました。」など、
言葉を自分で選びながら、答えてくださいました。
なんとすばらしい語彙力でしょう。
コミュニケーションは言葉だけではありません。
言葉を使わなくとも、豊かなコミュニケーションをつむぐことができることを、
私は、一言も話すことができない息子を通してよく知っています。
しかし、言葉でお話しができる方は、もっと自分の思いを言葉で伝えていいと思います。
相手の言葉を受け止めて、自分の言葉で応える。
相手の音を受け止めて、自分の音を奏でる。
コミュニケーションの極意は、音楽に通じています。
Yさんが、「カリンバの音はオルゴールの音みたいです。」とおっしゃいました。
まさにそのとおりです。
オルゴールの仕組みと、カリンバの奏法はとても似ていますから。
みんなで、オルゴールの音を鑑賞しました。
このオルゴールは、音の鳴る仕組みがよく見えるように造られています。
非常に精巧なオルゴールで、
モーツァルトの「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」の第1楽章・第2楽章・第3楽章まで、
聴くことができるものです。
カリンバの響きに似た、やわらかなオルゴールの響きが音楽室内に満ちて、
みんなほっこりとした表情でセッションを終えました。
「いつか、みなさんの好きな言葉を教えてくださいね。」とお願いしました。
みんなの好きな言葉を歌詞にして、「いっぽの歌」をみんなで作れたらいいなと思っています。
また次回も楽しみにお待ちしています♪
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もみの木音楽舎では、障がいのあるお子さん、成人された方のための
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