2023年2月21日(火)午後、隣町の三木町にある障がい福祉サービス事業所いっぽの利用者の皆さんが
もみの木音楽舎にいらして、第15回めのグループ音楽療法セッションを行いました。
今回のメンバーは5名の利用者さんたちで、支援員さんお二人と共にいらっしゃいました。
最初に「今日は何かやりたいことがありますか?」と訊ねると、
「ライアーかプサルターをやりたい」と言ってくださったYさんに続き、
Nさんは「ぼくは大きいたいこ(バッファロードラム)」
Iさんは「私はこれ!(ツリーチャイム)」などと、
皆さんがトライしたい楽器を伝えてくださいました。
そこで、それぞれ選んだ楽器をまず担当し、
私の指揮で即興演奏を行いました。(冒頭の写真です。)
鳴らし始めるタイミングだけでなく、強弱についても手振りで指揮をしました。
それから、今日は即興的な合奏をするだけでなく、
「マエストロ(指揮者)になれるかな?」と、新しいチャレンジを皆さんに提案しました。
<マエストロN>
Nさんは、まっさきにトライしてくれました。
照れくさそうにして指揮者の位置に座りましたが、
演奏を開始すると、そんな風情はどこへやら。
とても滑らかな表情豊かな手振りで、年上の楽団員たちをリードしていきました。
指揮している時の表情が、もう、巨匠のようでした!
終わり方がわからなかったようですので、隣で伝えると、
上手に演奏を終えることができました。
<マエストロY>
Yさんはとても思慮深い方です。
「指揮者をやってみませんか?」と言った時も、
すぐには手を上げずに、考えていました。
でも2番手に手をあげてトライしてくださいました。
とても明確な指揮ができましたが、
楽団員がその指揮に注目する前に、素早くその手を引っ込めてしまうので、
上手く伝わらないことがありました。
演奏を終えた後で、
「もう少しゆっくり指揮をして、演奏する人と目を合わせてみてはどうかしら。」と
アドバイスをしたら、とても素直に了解してくださいました。
彼はこれからもっとすばらしいマエストロになれるでしょう。
<マエストロT>
Tさんは、とても意欲的に、このグループ音楽療法セッションに参加されています。
このメンバーで、いつか発表会をしたい、とおっしゃっているほどです。
今回は指揮にも張り切ってトライしてくださいました。
彼の真っ直ぐな思いが、切れ味のよい手振りに表現されていました。
すごく集中して、演奏者を順番に指し、それぞれの音を求めていきました。
でも集中し過ぎて、ちょっと疲れてしまったようです。
終わりが難しい様子でしたので、助け船を出すと、ほっとした表情で締めくくることができました。
最後までよくがんばりましたね!
<マエストロI>
物静かなIさんですが、実はしっかりした意思をもっていらして、
自分の言葉で表現することができます。
指揮にもそれが表れていました。
演奏者のほうへ身を乗り出すようにして指揮し、しっかりと自分の思いを伝えます。
とても丁寧な指揮でした。
楽団員のみんなに対する思いやりが感じられました。
彼女もすてきなマエストロです。
<マエストロK>
最後に登場したのは、いつも遠慮深いKさん。
指揮も、上着の袖口からちょこっと手をのぞかせるようにして、遠慮がちでした。
でも、さすが仲間たち。
楽団員はみんな、Kさんの指揮をよく見て、一生懸命に音を奏でました。
終わり方がわからないようだったので、声をかけると、
うまく終わりの合図を出すことができました。
トロムメールで「コツン」と最後の音を決めてくれたNさんもナイスでした。
いつも支援を受け、指示を受けて生活することが多い、障がいのある方も、
もっと「こうしたい!」という気持ちがあるのだと思います。
お互いにその思いを受け止め合いながら、
今日はみんなで、それぞれのすてきな音楽を表現することができましたね。
またトライしてみましょう。
次回も楽しみにお待ちしています♪
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