2023年10月10日(火)午後、
いつもより10分早く、隣町の三木町から、
障害福祉サービス事業所いっぽの利用者さんたちが、
もみの木音楽舎へいらっしゃいました。
あれ?ちょっと早いぞ?と思いましたが、
インターホンの画面に、満面の笑みのTさんのお顔が映っていました。
「待ちきれなくて。」と、同行された支援員さんがおっしゃっていました。
第47回のいっぽグループ音楽療法セッションは、
そんな会話で始まりました。
今回は、男性利用者さんの日。
1組目は、TさんとYさん、2組目は、Hさんです。
1組目のTさんとYさんは、玄関を入ってすぐの手洗いで、
手を洗うのもそこそこに、いそいそと音楽室へ。
とても楽しみにして来てくださって、嬉しい限りです。
今日も歌から始めました。
2人は歌うのが大好きで、とてもよく声が出ます。
一緒に声を合わせて歌うのは、ちょっと苦手なのかもしれませんが(笑)、
音楽療法は歌のレッスンではありませんので、
互いの声や、ピアノの伴奏をなるべく聴きながら、
一緒に楽しんで歌うことができればよいと考えております。
歌の後は、「何をしますか?」と訊ねると、
Yさんから、久々に「プサルター!」というリクエストがありました。
Tさんは、前回のセッションでライアーを扱っていた時に、ちょっとしたアクシデントで、
弦を切ってしまったことを気にしていて、今回は遠慮がちでしたが、
それならこれはどう?と勧めたバッファロードラムを気に入ってくれました。
Yさんは、プサルターを弾くのがとても好きそうで、そしてとても上手になりました。
レとファとラだけ弾いてください、と弦を示してお願いすると、
ゆっくり丁寧に、順番に、良い音を鳴らしてくれました。
Tさんは、以前は大きい楽器は「疲れる。」と言って、敬遠していましたが、
この頃は、大きい楽器に挑戦し、しかも長く集中して鳴らせるようになってきています。
支援員さんにはトライアングルを鳴らしていただき、
私がピアノで合わせて、4人で即興演奏をしてみました。
2回やってみましたが、Yさんに「どうだった?」と訊ねると、
「いい曲だった。」と満足そうに答えておられました。
2組目のHさんは、今日は何かきっかけがあったのか、
来室時からお帰りになるまで、大きな独り言が断続的に続いていました。
それでも、私と手遊び歌をしたり、楽器を鳴らしたりする時は、
短い間ではありましたが、穏やかな表情で、細やかさな動きを見せてくださいました。
大きく激しい独り言に、彼本来の意思が遮られるような状況は、
ご本人も、側にいる人にとっても、居心地のよいものでは決してなく、
辛いものだと思います。
好きな音に集中している瞬間は、独り言が止まります。
この瞬間を大切に、積み重ねていければと思います。
楽しめる力を高めることは、
もみの木音楽舎の音楽療法で、大切にしていることです。