2024年2月20日(火)の午後、隣町の三木町から
障がい福祉サービス事業所いっぽの利用者さんたちが
さぬき市長尾のもみの木音楽舎にいらっしゃり、
第65回いっぽグループ音楽療法セッションを行いました。
今回は男性利用者さんの日。
2つに分かれて来室されます。
1つめのセッションは、TさんとYさん、
2つめのセッションは、Hさんのセッションです。
今回は、それぞれのセッションで、
クライエントさんについて新しく気付いたことについてお伝えします。
1つめのTさんとYさんのセッションでは、
今回は最初に、ストレッチやリボンを使った粗大運動にプラスして、
指先の微細運動のトレーニングにも取り組んでみました。
リズムよく身体を動かすことは、脳の働きにも情緒の安定にも良い影響を与えます。
リボンも手指の体操も、いずれも楽しそうに取り組まれていましたが、
改めて認識したのは、手指を意識的に動かすことは苦手なんだ~ということ。
歌に合わせて、楽しみながら、微細運動のトレーニングも続けていきます!
さて2つめのHさんのセッションについてです。
Hさんは、何らかの原因で突然大きな声で独り言を発したり、
激しく両手を打ち合わせたり、手のひらの一部を強く噛んだりされることがあり、
そうなるとしばらくの間、その行為をやめることが難しくなります。
そういう状態でない時のHさんは、とても静かで、穏やかな方です。
楽器の扱いも丁寧で、歌に合わせてリズムよく鳴らしたり、
美しい音を鳴らそうとする気持ちがとても伝わってくるような鳴らし方で、
繊細な音を響かせたりすることができる方です。
私はどうにかして、少しでもHさんが本来の彼の状態を保つことができる支援ができないかと考え続けているのですが、
今回は、彼とのアイコンタクトにその手がかりが少しだけ見えたように感じました。
歌に合わせて楽器を鳴らしていただく時、
その最中に、突如として独り言が始まり、音楽の世界から、
違う世界に行ってしまうことがあります。
しかし、独り言が始まるより前から、意識的にアイコンタクトをとり、
独り言が始まった瞬間も、アイコンタクトを途切れさせずに、
じっと目を見て、歌いかけを続けると、
ほどなく大きな独り言が止み、音楽の世界に再び戻ってこられることが
ありました。
アイコンタクトと歌、Hさんに対するこの働きかけの方法を、
次回も試みてみようと思います。
新たな気付きを得られた今回の2つのセッション。
気付いただけで終わらせず、必ず今後につなげていきます!
音楽療法の成果は目に見える形で表れるまでに時間がかかりますが、
このような小さな気付きが、大きな一歩のベースになります。