お母さま鶴見捷子様より
祐子先生のこと
先生を初めてお尋ねしたのは今から 20 年前、息子の大祐(だいすけ)が34歳の頃でした。
その当時大祐はいろいろなことが重なって、通っていた作業所をやめさせられ、気持ちがとても不安定で在宅で抱え込むのが大変でした。
テニスコートに連れて行きプレイさせたり、工夫はしたのですが、家にいる時間が長くなるとピアノを弾くのです。ただガンガン鳴らすだけでご近所の手前もあり頭を痛めておりました。
メロデイがあれば少しはましかと思い先生にご指導をお願いしたのです。
先生はお若くてとてもおきれいで、凛とした方でした。母親でも遠慮しながら話をするような大祐に、こわがるご様子もなく、又、障害者(発達障害)だからこの程度でという忖度もなく、しっかりと指導してくださいました。大祐はそばで聞いていて母親がハラハラするような先生の注意にもこたえようとしていました。本当に不思議なくらいでした。でも「間違ってるのが好き!」などと叫んだりもしていましたが。
先生が教職に就かれてからは、夏になると大祐が先生にハガキを書き、練習の成果を聴きに来てほしいと連絡をするので、毎年夏休みに我が家にいらして、大祐のピアノをひと時聴いてくださいました。
大祐はとても楽しみにしていたのですが、今度香川にお帰りなったのが残念でたまりません。
近況について
大祐は、ワークショップやまどりにかれこれ 20 年近くお仕事に通っております。最近は大声をあげたりすることもなくなり、とても穏やかに過ごしています。ウイークデイはグループホームで過ごし、土、日には帰宅するというパターンです。もともと言葉が少なく会話が不得手でしたが、50歳位から理解がややよくなり、この頃は普通の会話がうまく運ぶようになりました。