2023年11月21日(火)午後、
隣町の三木町から、障がい福祉サービス事業所いっぽの利用者さんたちが、
さぬき市長尾のもみの木音楽舎にいらっしゃり、
第53回のグループ音楽療法セッションを行いました。
今回は男性利用者さんの日。
2つのグループに分かれて来室されます。
1つ目のグループは、TさんとYさん。
2つ目のグループは、Hさん。
それぞれ、支援員さんと一緒にいらっしゃいます。
1つ目のグループ、TさんとHさんは、ストレッチからスタート。
丸くなりがちな背中を伸ばすと、気持ちいいですね。
続いては、お気に入りになってきたリボンを使ったリトミック。
リボンは、新体操用のものなので、かなり長く、
先が床につかないように動かしていくことで、自然に腕が上がり、
背中も伸びます。
ピアノの音に合わせて、リズミカルに振ったり、
手首を使ってくるくると回したりして、楽しく取り組みました。
早口言葉で口をよく開ける練習をしてから、
「手のひらを太陽に」や「君をのせて」を歌いました。
今回は、音の高さをよく聴いて、
声を音に合わせて歌うことを意識することを練習し始めました。
ゆっくり取り組んでいきましょう。
好きな楽器の演奏では、
Tさんはバッファロードラムを試してから、トライアングルに決め、
Yさんはプサルターを選び、
それぞれが鳴らし始めました。
しばらくして、相手の音を聴いてから自分の音を鳴らしましょう、と伝えると、
相手の音を聴き、また自分の音を鳴らす、というサイクルができました。
Yさんのプサルターの独特の振動を伴う音が長く響いた後、
少し前のめりな感じで、Tさんがトライアングルを響かせます。
2人のその演奏は、
端正な様式美のある美しい即興でした。
聴き合うことを意識することで、2人の音が対話しているように響き合っていました。
2つ目のセッションは、Hさんのセッションです。
今回のHさんは、少し情緒不安定な様子で、独り言が多く、
突然大きな声を発して、顔をしかめるといった状態での来室でした。
しかし、時折わー!と大きな声が出るものの、
こちらの働きかけを受け入れていないわけではなく、
ちゃんと反応を返してくださいました。
最後に、フィンガーシンバルを歌に合わせて一緒に鳴らしていた時も、
歌の途中で、わー!という声が出て、それに続けて大きな独り言が出そうでしたが、
私が「シー!」と口に指を当てて小さく伝えると、
それを見て、独り言を抑え、最後まで演奏を続けることができました。
HさんのQOLに大きく影響していると思われる独り言を、
どうにかコントロールできる術はないかと考えていますが、
まずは短い歌の間だけでも、自分の意思で抑えることができるように
これからもいろいろな試みをしていきたいと思います。