2024年2月6日(火)の午後、隣町の三木町から、
障害福祉サービス事業所いっぽの利用者の皆さんが、
さぬき市長尾のもみの木音楽舎に来室されて、
第63回いっぽグループ音楽療法セッションを行いました。
隔週で、女性グループと男性グループが交互にいらっしゃるのですが、
今回は男性の皆さんの日でした。
最初は、TさんとYさん、そして支援員さんがお二人、
次に、Hさんと支援員さん
と、2つに分かれていらっしゃいます。
1つめのTさんとYさんのグループは、新しく来られた支援員さんもいらして、いつもより賑やかな雰囲気でした。
ピアノに合わせてストレッチを行った後、
リボンを使った活動に取り組みました。
「大事なことは何ですか?」と訊くと、
Yさんは、いくつか答えを並べた後、「わかった!背中をぴんとして立つこと!」と正解を答えてくださいました。
そう、リボンの活動は、両腕を上げ下げしながら、
背中を伸ばし、胸を開いて、姿勢を整えるために取り組んでいます。
皆さん、だんだんと丸かった背中が伸びました。
発声練習をかねての早口言葉の取組みでは、
手を打って言葉のリズムをとりながら、テンポをあげて3回繰り返すことに挑戦しています。
あえて文字で提示せず、耳で聴いていただきながら進めていますが、
覚えるのが少し苦手なTさんも、だんだんいくつも言えるようになってきました。
歌を歌った後の楽器の取組みでは、
今回は、Yさんはプサルター、Tさんはバッファロードラムを選ばれました。
お互いの音を聴き合い、相手の音を最後まで聴いてから、自分の音を鳴らして、音で対話をする即興演奏に取り組んでいますが、
今回はTさんが、Yさんのプサルターの最後の余韻まで聴き取ってから、
ドラムをその余韻の響きになじむ感じで、そっと打つ、という演奏をされ、
とてもすてきな音の対話になりました。
聴き合うことは相手を受け止め、認め合うことでもあります。
自分の音を鳴らすことだけに誰しも傾きがちですが
TさんとYさんは、互いの音に耳を傾け、受け止めてから、
それに応じるように自分の音を丁寧に鳴らせるようになってきました。
すばらしいと思います。
そういうお二人に、今回は新しい提案をしてみました。
ラとシの音だけで演奏する「夕暮れの二人」です。
これを音つみきで演奏する挑戦を始めてみました。
楽しみながら少しずつ練習していきましょう。
さて、2つめのセッションは、Hさんの個人セッションです。
今回は興奮と緊張が強く、座ると硬く脚を組み、
しかしよく立ち上がり、飛び跳ねるように歩き回り、
大きな独り言をたびたび叫ぶように発しておられました。
「電車!」という声がよく上がったので、その言葉を糸口に、
スリットドラムを電車に見立てて登場させ、
一緒に鳴らしてみました。
集中できる時間は、今回はとても短かったですが、
私の模倣をして、一緒に良い音でスリットドラムを打つことができました。
その後、とても興奮が高まり、部屋の中を歩いたり跳ねたりしている間も、
ヴィヴラスラップを提示すると、ひと時立ち止まって、
私と一緒に鳴らすことができました。
Hさんのすてきなところは、かなり興奮している時も、
楽器を決して乱暴に扱わないことです。
優しい手で、ヴィヴラスラップの丸い部分に触れ、
響きを味わいながら、鳴らしてくださいました。
あせらず、ゆっくりやっていきましょう。
その日、その時に、できることを。
またお待ちしています!