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音楽療法&声・ライアー(竪琴 音楽療法&声・ライアー(竪琴

2023年10月17日(火)の午後、

もみの木音楽舎のある長尾のすぐお隣の三木町から、

障害福祉サービス事業所いっぽの利用者さんと支援員さんがいらっしゃいました。

第48回いっぽグループ音楽療法セッションは、

女性グループ、IさんとKさんです。

 

午前中は何をしていましたか?と訊ねると、

いっぽの仲間と支援員さんたちと一緒に、長尾の亀鶴公園を散策したとのこと。

亀鶴公園には大きなため池があるので、その池の周りを歩くのですが、

今日は風があるから、池の水面にさざ波が立って、キラキラしていたのを見ませんでしたか?と

訊いてみました。

すると、IさんとKさんは予想に反して、「見ませんでした。」と口をそろえておっしゃいました。

それから時間が少しかかりましたが、何故見なかったのかという理由を話してくださいました。

「飛行機を見ていました。」と。

なるほど、空を見上げていたんですね!

 

IさんとKさんは軽度の知的障がいをもっていらっしゃいますが、

とても思慮深く、言葉を選んで丁寧にお話をしてくださいます。

私はいつも彼女たちのこの思慮深さに感銘を受けます。

「考えて表現する」ということは、人間の素晴らしい知性です。

芸術は、感情のおもむくままに、何も考えずに…などととらえられることが少なくないですが、

(実際そういう表現の在り方もありますが、)

「考えて表現する」ことによってより良きものに昇華する芸術があります。

 

音楽もそうです。

何も考えなくても、天才的な演奏ができるという奇才の音楽家も存在しますが、

多くは、「考えて表現する」音楽家です。

私は、障がいのある方たちの中にも、

その方独自の視点で、「考えて表現する」音楽家がいることを知っています。

誰かに認められるとか、評価されるとかいう次元ではなくても、

自分がこう演奏したいから、こう弾く、と考えて表現することができれば、

もうそれは一人の音楽家です。

 

IさんとKさんは、そのような音楽家になっていく可能性を大いに秘めています。

彼女たちとの音楽療法セッションは、おのずと、

声や音と向き合い、どうすればどんな声、音が出るのかを感じ取りながら進めるセッションになっています。

今回のセッションでは、楽しむことを第一にしつつも、

どうしたらよいか、問いかけたり、

気付きを促すように身体の動きを見せたりしながら、

歌や楽器を一緒に演奏しました。

彼女たちに向き合う時、

私も音楽療法士から、一人の音楽家に戻っている自分を感じることが多くあります。

そしてまた、同じ一人の人間として、女性として、

共に音楽できる喜びを味わっています。

終わった時、彼女たちは「ありがとうございました!」と言ってくださいますが、

私も同じように、「ありがとうございました!」と伝えます。

 

今日のいっぽグループ音楽療法セッションも、

やわらかな響きと、あたたかい心の交流が、

もみの木の小さな音楽室に満ちたひと時でした。

 

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もみの木音楽舎では、

様々な障がいのある方のための音楽療法をお引き受けしております。

音楽療法は魔法ではありませんので、

即効性はありません。

障がいや病そのものを消し去ることはできません。

しかし、その方に合ったアプローチで、少しずつ積み重ねることにより、

その方の生きづらさを軽減すること、

「生きる力」を高められる可能性があります。

お問合せは下記↓よりお気軽にどうぞ。

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