現在30歳の息子は、
自閉症と最重度の知的障がいの上に、
クライネ・レビン症候群という、治療法が見つかっていない病気を抱えています。
幼少期に激烈な発達退行が起こり、
言葉も7歳の時に失いました。
今は「あ」という発声しかできません。
自閉症と最重度の知的障がいだけでも大きなハンディですが、
クライネ・レビン症候群という病のために、
現在は、月に10日間くらいしか、
息子本来の活発さや朗らかさが発揮できる日がなく、
若くて一番気力も体力もあるこの時期に、
ほんのわずかしか楽しく過ごせる時間がありません。
眠り続ける病。クライネ・レビン。
過眠期の間は、本来好きなことにも取り組むことができません。
過眠期が終わり、笑顔が戻り、
通常モードに切り替わるまで。
今現在、どっぷりと過眠期真っ只中。
でも昨夜、ピアノを弾こうと音楽室にやってきました。
まだ眠くて、いつものように指が動きませんでしたが、
ゆっくり「メリーさんの羊」を一緒に弾き、
少しピアノに触れて、満足したように蓋を閉じました。
ひたすら眠りながら、
息子も病と戦っているのだとわかりました。
静かな眠りの海に漂いながら、
必死で岸へ辿り着こうともがいているのでしょうか。
何もしてやれませんが、
せめてできるだけそばにいてやりたいと思います。
1日も早く、笑顔いっぱいに過ごせる朝がやって来るように
祈りながら。